ANYCUBIC Photon セットアップ・レビュー
はじめに
すほーいといいます.初めまして.
ANYCUBIC Photonを買って,日本語でセットアップについての詳しい記事が無かったのでブログ始めるきっかけとして書いていこうかなって感じです.
とはいえセットアップだけだと公式のYoutubeチャンネルと日本語マニュアル(Mannual→1.)読めば済む話なんで,ついでに手持ちのFDM方式の3Dプリンタ(Flashforge Creator Pro)と造形物を簡単に比較します.
比較だけ見たい場合は目次から飛んでください.
少しだけPhotonの紹介をしておくと,
- 高性能な光造形3Dプリンタがなんと7万円以下!
- スペック詐欺ではなくモデラ―も唸らせる造形精度!
- 初期セットアップも簡単!
- レジンのみならず交換部品の供給も安定してる!
という評判です.
目次
Photonって?
最近話題の廉価な光造形3Dプリンタです.
仕様は
- DLP方式
- 2.8inch 2560×1440pディスプレイ
- XY解像度 47um
- Z解像度 1.25um
- 推奨積層ピッチ 25-100um
- 造形速度 10-20mm/h
- 造形サイズ W115*D65*H155mm
- UVレジン波長 405nm
とまぁ同価格のFDMより少し小さい造形サイズと,圧倒的な解像度といったところです.
購入
本体
日本だとAmazon,海外だとAliexpressから購入できます.
ANYCUBIC PHOTON 光造形式 3Dプリンター FEPフィルム付属 デスクトップ 2K 高精度 UV-LED LCD masking
- 出版社/メーカー: ANYCUBIC
- メディア:
- この商品を含むブログを見る
自分の場合はAmazonの数量限定タイムセールで55249円でした.普段は69999円とか.
ちょっと気になるなーと思ってた折,AmazonのタイムセールをTLで確認して画面の前で気絶したら注文されてました.
Aliexpressだと検索時に商品がいっぱい出てくるのでどれ選べばええんや...ってなりますね.適当なのを選んで値段を考えてみます.
- 本体価格:$367.59≒41000円
- 送料:$84.21≒9400円
- 消費税:41000*0.6*0.08=1968円
- 関税:41000*0.6*0.05=1230円
- 通関手数料:FedexIE 500円
って感じでざっくり54000円ってところでしょうか.
計算はここを参考にしました.
間違ってても責任はとれないのでその点よろしくお願いします.
Aliexpressから直が多分安いですが書類とか振り込みで面倒になると思います.差額は手間賃ってことで.
レジン
本体同様AmazonとAliexpressで購入可能.
Amazonの場合は1本注文ごとに輸入しているのか,Aliexpressの価格+送料相当の値段となっています.
となるとAliexpressで複数購入して送料をまとめたほうが安いのでは...?となってくるのですが,計算してないのでわかんないです.しかもここに関税が絡んでくるややこしさ.
実際にやった人がいたらコメントで教えてくださると幸いです.
とりあえず今回はAmazonで1Lのクリアレジンを注文.11899円でした.
セットアップ
開梱
適当に引きずりだせば終わりです.知恵の輪とかする必要もなくて親切でした.
入ってる内容は
- 本体
- ACアダプタ
- インレットケーブル
- QC証
- アフターサポートカード
- 使用済みレジンのフィルター
- レジンタンク底のFEPフィルム予備*1
- マニュアル(英語)
- プラットフォーム
- 六角ドライバ(使わなかった)
- 六角レンチ*2(片方だけ使用)
- ゴム手袋*3双
- マスク
- マイナスドライバ
- ねじ類
- 樹脂スクレーパー
- 4GB USBメモリ
こんな感じ.使った/使わなかったはセットアップの時の話なので,メンテナンスには使うことでしょう.
日本販売のものは輸入の関係でレジンが入ってないらしいです.その代わりAmazonの抱き合わせ販売でレジンが安くなるとか.海外から液体運ぶのめんどくさいもんね.
設置
本体サイズはW220*H400*D200とコンパクトですが1つ落とし穴が.カバーがL字型なので,上限180度まで開くとW220*H665*D335になります.奥行と高さを確保しないと,プリントするたびに落ちてくるカバーと格闘する羽目に陥るので購入前にご注意を.
組み立て
マニュアルを要約すると
- 保護フィルムをはがす
- カバーにハンドルを取り付ける
- 左右のネジを緩め,レジンタンクを取り外す
- 電源を入れる
- TOOLS→Move Z→Homeを押してZ軸を下げる
- 赤いノブの手前にある芋ネジを緩める
- LCDの上にA4コピー用紙を置き,プラットフォームを取り付け,赤のノブを締める
- 0.1mmか0.01mmを選択し,紙を前後させたときに抵抗を感じるまでプラットフォームを徐々に下げる(連続でクリックしないこと).プラットフォームを優しく押さえ,芋ネジをきつく締め,プラットフォームを固定する
- 抵抗を感じつつコピー用紙を引ける程度まで高さの微調整を行う.このとき,目視でプラットフォームが傾いていないことを確認する
- メイン画面に戻し,TOOLS→Z=0でポップアップに対しYesをクリック
- プラットフォームを120mmまで上げ,TOOLS→DETECTION→NEXTでLCDに四角の枠を表示させ,正常に動作しているかを確認する
- レジンタンクを差し込んで2つのナットで固定する
といった感じです.
という2点が重要ですね.マニュアルの9.では目視で確認せよとなってますが,左右に傾いていた場合,コピー用紙を引くときの抵抗が左右で異なるのでこちらを目安にしたほうが多分いいです.もちろん抵抗は前後でも異なってくるのでそちらにも注意を.
ファームウェアのアップデート
LCDが半分消える不具合があるらしく(1次ソースは発見できませんでしたが...),それを解消するファームウェアが公式からリリースされています.
SUPPORT→Firmwares→ANYCUBIC Photon Firmware_V1.1_20180720
実際の場合は任意の最新版をDL,解凍してください.
V1.1の中身は次のファイル4つ.
PhotonのバージョンはSYSTEM→INFOで確認できます.アップデート前のバージョンは写真を撮り忘れました.
PDFに従ってファームウェアアップデートを行います.
- 255.lcdimg,output_file_V22_89.rbf.bin,update.LCDの3ファイルをUSBのルートディレクトリに移動
- PhotonにUSBを挿す
- 電源を入れる
- ビープ音が何度か鳴る
- ホーム画面が表示される
- PRINTで印刷画面に入る
- 255.lcdimg,output_file_V22_89.rbf.binをそれぞれ実行(順番は問わない)
ホームに戻って,SYSTEM→INFOとすると
アップデートされてるっぽいです.撮り忘れが悔やまれますね.
ソフトウェア
インストール
- 公式のSlicerで適合するものをDL.MacOSはBeta版.Linuxはなし.正式版はWindowsのみのようです.
- 言語を選んでYes連打でインストール(発行元不明で怒られる模様.公式様署名入れてくれ~)
スライスソフト
操作
- ホイールでズーム
- 左ドラッグで視点並行移動
- 右ドラッグで視点回転移動
- オブジェクトを左クリックで選択
- オブジェクトをフォーカスして左ドラッグで並行移動
- オブジェクトをフォーカスして右ドラッグで回転移動
- Deleteで選択したオブジェクト削除
スライスまでの流れ
- 左上のメニューでstlファイルを開く
- 角度をいい感じにセットする
- Parameterをいじる
- オブジェクトを選択し,右のメニュー中央からサポートをつける(Medium→Auto Support)
- Slice実行
プレビュー画面では1レイヤごとのLCDディスプレイがどのような表示になるかを確認できます.
スライスパラメータは
- Layer Thickness:0.01~0.2mm
- Normal exposure time:6~15sec
- Off time:3~6sec
- Bottom exposure time:30~80sec
- Bottom layers:3~6
の間で変更できるようです.レイヤ厚さに合わせて変えるのでしょう.とりあえずマニュアル通りにセットします.
ソフトウェア上は上記の範囲外に設定しても怒られたりせずスライスできてしまいます.自己責任ってことでお願いします.
サポートの設定については,マニュアル曰く「Mediumのサポートとデフォルトパラメータを推奨します!」とのこと.おとなしく従います.英語だと黒太字なのに,日本語だと赤太字でさらに!までついてるのはなんででしょうね.天邪鬼が多いんでしょうかね.
マニュアルのほうはソフトのバージョンが古いのでAuto Supportには未対応となっていますが,この記事を書いたタイミングでの最新版のスライサでは対応しています.ありがたや.
印刷
- スライサで出力した拡張子.photonのファイルをUSBメモリにコピー
- Photonに挿す
- レジンタンクをセットしてタンクの1/3ほどレジンを投入.蓋を閉じる
- メニューのPRINT→ファイルを選択し実行
- Twitterで時間を溶かす
- 印刷完了
って感じです.
注意点は
- ゴム手袋・マスク・安全眼鏡を着用する
- 印刷時はトップカバーを閉める
- 直射日光を避ける
- 置く場所を平らにする
- 振動を与えない
といったところ.
紫外線に反応する樹脂を扱うわけですから,印刷時だけでなく機器の設置場所は日光を避けるべきでしょう.当然レジンの保管場所も同様です.
途中でレジンを補充する場合,一時停止を押してプラットフォームが上がったのち補充を行う,という手順のようです.
ちなみに目分量でタンク1/3のレジンを入れたところ,大体150mlでした.これを一回の印刷で使うとなるとなかなかのサイズのような気もしますが...
印刷後処理
こんな感じになって出てくるのをどう処理するかという話です.
道具
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造形物とプラットフォーム,レジンタンクの洗浄,造形物の固化に使います.
手順
手袋・マスク・安全眼鏡よいか!?<<<ヨシ!>>>
造形物・プラットフォームの後処理
- タッパにIPAを入れる
- 赤いノブを緩めプラットフォームを外す(レジンが垂れることがあるので注意 タンクの上である程度落としておく)
- IPAにプラットフォームごと造形物を浸ける
- IPAの中でプラスチックスクレーパを使って造形物を取り外す
- IPAからプラットフォームと造形物を取り出し,ウエスでふき取るか乾燥させる
- プラットフォームに残留物がないことを確認する
- UVランプで仕上げに固化させる.2分くらい
IPAから取り出した状態の造形物は爪の痕がつく程度に柔らかいので,UVランプで固化させたほうが良いかなと思います(細長い部品は固めると折れやすくなるので使い分けで).BeanとかだとUVランプがセットになっていたりしますね.
上で紹介したUVランプは2分のタイマーがあるのでそれを使いました.4分も試してみましたが,あまり変わらなかったので2分で十分でしょう.
レジンタンクの後処理
固化不完全な場合または印刷失敗などの場合(※)にはレジンタンクの洗浄が必要となります.フィルターで固化した樹脂とレジンを分離しないと,固化した樹脂がプラットフォームに押さえつけられ,LCDが破損する恐れがあります.手順は
- レジンタンクを取り外す
- フィルタを通して,ビーカーでレジンを回収する
- タンクに残ったレジンをペーパでふき取る
- IPAで洗浄する
といった感じですね.正直言って結構面倒です.FDMだと剥がして終わりですが,厄介な液体を扱う上では仕方が無いのでしょう.
機器を壊してしまっては元も子もないので,しっかり行うように心がけていきたいものです.
2日以上機器を使わない場合も同様の処理をしてレジンをボトルに戻してねとあります.
※マニュアルではこう書いてありますが,ぶっちゃけ毎回やるに越したことはないと思います.固化不完全ってどう判断するのかわかんないですし.
サポートの取り外し
こう,ブチッとすると左のようになります.残ったゲート痕はニッパーでとれます.
これはUVランプ通す前に外しましたが,通してから外すとまた違いそうな気がします.
印刷直後はだいぶ透明感があったのですが,IPAで洗浄してしばらくすると白くなりました.
薬品類の注意点
ボトルに書いてある注意事項です
レジン
- 使用前によく振る
- グローブとマスクをつけ,肌に触れないようにする
- 肌に付着した場合,多量の水で洗い流す
- 口に入れない.子供の手に触れない場所に保管する
- UVレジンは時としてアレルギー反応を起こす.アレルギー反応が出たときは医師の診断を受ける
- 使用推奨温度:25~30℃
使用推奨温度が25~30℃なので冬は暖房を入れたほうがよさそうですね.
当然のことなので書かれてませんが直射日光厳禁です.
IPA
- 可燃性・揮発性物質
- 熱・火気・静電気など着火源から遠ざける
- 肌に直接触れないようにする
- 吸引すると害を及ぼす可能性がある
- 飲用不可
- 保護メガネ・保護手袋・保護マスク着用
安全データシートの注意点が長いのでとりあえず抜粋.一度目を通しておきましょう.カジュアルに使えてしまう危険物です.
FDM方式との比較
Flashforge Creator Proと比較します.本来なら同じ光造形のForm2とかと比較すべきなんでしょうが,手元にないので仕方ありません.造形時の設定はどちらもソフトウェアや公式マニュアルのデフォルト設定で,Photonのほうは傾斜をつけサポートありのもの,傾斜およびサポートなしで出力したものの2つです.スライサソフトのスクショを載せておくのでこちらを見たほうがわかりやすいと思います.Photonは公式のレジン,Creator Proは SUNLUのABS樹脂です.
外観
左と中央のクリアカラーがANYCUBIC Photon,右の黒いのがFlashforge Creato Proによるものです.
外観ではPhotonの圧勝です.FDMにありがちな積層痕や円形を出力した際の継ぎ目などは写真では判別できません.実際に手にとって眺めると流石にDLPといえど積層痕は見えます.DLP方式とFDM方式を比べるなという話ですね.
Photonどうしで比べると,傾斜をつけなかったほうは透明感がありますね.プラットフォームと平行に出力される面はその差が顕著です.
アクリル的な透明感を期待していたので,ちょっと残念です.印刷直後はもっと透明なので,何かしら方法があるのかもしれません.
ところでこのクリアカラー,Keyenceの3Dプリンタの造形サンプルを思い出しますね.外観だけなら遜色ないんじゃないかな......?
精度
図示した(1)~(4)の直径について,①~③のように位置を変えながらミツトヨのデジタルノギスで測定を行った結果が次の表です.表中の単位はmm.器差は±0.02mmです.
場所 | 真値 | 測定値 | 誤差 | |||||
Photon 傾有 | Photon 傾無 | Creator Pro | Photon 傾無 | Photon 傾有 | Creator Pro | |||
(1) | ① | 6.45 | 6.44 | 6.35 | 6.08 | -0.01 | -0.1 | -0.37 |
② | 6.41 | 6.34 | 6.13 | -0.04 | -0.11 | -0.32 | ||
③ | 6.46 | 6.35 | 5.96 | 0.01 | -0.1 | -0.49 | ||
(2) | ① | 21.3 | 21.12 | 21.17 | 21.3 | -0.18 | -0.13 | 0 |
② | 21.13 | 21.19 | 21.41 | -0.17 | -0.11 | 0.11 | ||
③ | 21.15 | 21.18 | 21.37 | -0.15 | -0.12 | 0.07 | ||
(3) | ① | 14.5 | 14.41 | 14.38 | 14.56 | -0.09 | -0.12 | 0.06 |
② | 14.34 | 14.38 | 14.5 | -0.16 | -0.12 | 0 | ||
③ | 14.39 | 14.38 | 14.54 | -0.11 | -0.12 | 0.04 | ||
(4) | ① | 15.7 | 15.53 | 15.59 | 15.75 | -0.17 | -0.11 | 0.05 |
② | 15.54 | 15.58 | 15.68 | -0.16 | -0.12 | -0.02 | ||
③ | 15.52 | 15.59 | 15.63 | -0.18 | -0.11 | -0.07 |
でもって最大値-最小値でとった誤差幅と,誤差量の平均をまとめたものがこちら.3点測定なのであまり信頼性はないです.
評価項目 | 場所 | 誤差 | ||
Photon 傾有 | Photon 傾無 | Creator Pro | ||
Max-Min | (1) | 0.05 | 0.01 | 0.17 |
(2) | 0.03 | 0.02 | 0.11 | |
(3) | 0.07 | 0.00 | 0.06 | |
(4) | 0.02 | 0.01 | 0.12 | |
平均 | (1) | -0.013 | -0.103 | -0.393 |
(2) | -0.167 | -0.120 | 0.060 | |
(3) | -0.120 | -0.120 | 0.033 | |
(4) | -0.170 | -0.113 | -0.013 |
誤差の幅では
Photon傾斜無し < Photon傾斜有り < Creator Pro
誤差の平均では(1)を除けば
Creator Pro < Photon傾斜無し < Photon傾斜有り
というところでしょうか.ただしCreator Proは正負両方にばらつきを持つため,たまたま結果が良いだけとも見れます.
Photon傾斜なしは誤差幅最大0.02mm,誤差量にしても0.1mm程度と良くまとまっています.モデリング時に一律でオフセットをかけてやれば望む寸法±0.02mmくらいには収まりそうですね.
Photon傾斜有りは全体的に傾斜なしの特性を悪化させたような数値.(1)の箇所の平均は良いですが,正負両方にばらついた結果なのでまぐれでしょう.
Creator Proが(1)が苦手なのは予想通り,平均値で見ればいい結果ですが,誤差幅が大きく,楕円に造形されることが問題となります.
ということで精密度としては誤差幅の小さいPhotonで傾斜をつけずに造形したものが最優秀という感じですね.同じ機械で,同じパーツであっても,サポートの付け方(というか傾斜)によって精度が異なってくるというのは中々良い知見を得ました.プラットフォームと平行な面で切り取って計測すれば傾斜無しと同等の精度が得られるのかなとも思います.機械の特性を考慮して設計すると良い結果が得られることでしょう.
0.02mm以下を議論するのにデジタルノギスを使うのは如何なものか,という批判は甘んじて受けます.手元にないという言い訳で逃げさせていただきます.
時間・コスト他
時間[分] | 重量[g] | 体積[cm^3] | 後処理 | コスト | 材料コスト | ||||
サポート | 薬剤 | 仕上げ | 円 | 円/cm^3 | 円/g | ||||
Photon | 80 | 4.1 | 3.524 | 容易 | 煩雑 | 不要 | 41.9 | 11.9 | 10.8 |
Creator Pro | 25 | 2.9 | 難解 | 無し | 要 | 5.8 | 2.1 | 2.00 |
まとめると大体こんな感じです.
時間はまぁ方式とピッチによるものなので,当然でしょう.
FDMはXYサイズに比例して時間も長くなりますが,DLPはZサイズのみに依存するので形状によっては爆速かもしれません.一般論ではFDMが早いです.
重量にかなりの差が出ていますが,UVレジンが比重1.1,ABSは1.05くらいなので,材質による差はごく僅か.ほぼ充填率の差です.Photonのスライサは充填率のオプションがありませんが,Creator Proでは15%がデフォルト設定です.
造形物の充填率が100%固定なのはもったいないです.何分レジンがお高いので,充填率を下げてお安くしたいところ.原理的に不可能ではないと思うので,対応してほしいですね.格安3Dプリンタが乱立したおかげでソフトウェアがこなれているのはFDMの利点です.
コストは,PhotonではCAD上での体積と,購入時のレジンの価格から算出,Creator Proは重量から算出しました.ざっくり10倍ですね.FDMと同じ充填率が使えるとすれば20~30%ほどレジンの消費量が抑えられるはずです.
FDM方式の3Dプリンタが乱立しだしたころ,フィラメントの価格も暴落したことを考えると,UVレジンの価格もだんだんと下がってくれるんじゃないかなと思います.今後に期待!
FDMと違って材料の種類が単一なのは明確な欠点ですね.軟性樹脂とかで遊べないのは自由度が低いです.
色もFDMほど多くはありません.染色はたぶん可能なのでそっちで対応という感じでしょうか.
印刷物の処理については,ぶっちゃけどっこいどっこいです.FDMのサポートは取りにくいし,DLPは手順が多いし薬品使うしで,ベクトルが違います.
FDMだと積層間の結合が弱いことが問題としてよく上がりますが,光造形では問題なさそうです.設計時に考えることが減るのは良いことですね.
まとめ
ノリと勢いで買いましたがいい買い物でした.当分遊べますね.
Twitterで人気なのも頷けるというものです.
難点はやはりコスト.造形時間の長さも相まって気を使ってしまいます.試作品はFDMで本番はDLPにするなど,使い分けが必要になってきそうです.
機械部品の製造としてより,精度を生かしたアクセサリーやプラモパーツとして活躍の場が多そうです.やはりモデラー人気か.
最初の投稿なんで,気合入れてGif作ったりしました.定期的に更新できるように続けていきたいと思います.
指摘とか,追加で実験してほしいこととかあったらコメントお願いします.